十年一昔、十把一絡げ

V6に関係するWEB上に漂う自分の記述(2000年~)をサルベージしたり、感想を書き直してみたり、何となくツイッターに連携できる形で書き直しています。偏りはあると思うので生暖かい目で眺めて頂けたら幸いです。

ステージという名のナマモノ

*1私は、誰とは言わないが某メンバー(達?)が時々ファンを主とする受け手を舐めてかかってるような発言をするのが、あんまり好きじゃない。
今回に限って言えば、後に控えている公演に向けて温存するために、その前にある夏のものを「自分は動かない構成にする」との発言があったそうだ。*2

 

アンタ、ステージに立つことを何だと思ってんのさ?

 

…似たような発言をしたのがもう一方いるらしいんで、更にげんなりな気分だ。

ステージに立つってことは、歌だろうと芝居だろうと踊りだろうと、まず「お客様」ありきだろう?チケ代払って、電車代払って、人によっては宿泊費まで払って、自分の出るステージに足を運んで頂く。
言わば「期待」という目に見えないものを買って頂いてるんだから、ステージに立つ者としてはそれ以上のモノをお客様にお返しする義務があると私は思っている。*3
それは手を抜いたら絶対できないし、本当に大変なことだと思う。
だけどさ、それを売り物にして食っていってる「プロ」ならば、尚の事忘れちゃいけないことなんじゃないか?
ただタレントを生で見られればいいって人も中にはいるだろうけれどさ、それだけしか逆に期待されてない…と考えたことはあるだろうか?*4
多くのファンはさ、たったそれっぽっちのことだけじゃなくて、もっともっと色んなことを「期待」して夏を楽しみにしているんじゃないか…と思うのだけど。

 

そりゃもちろん、自分がステージに立ちたい!人の前に出たい!という気持ちが大前提。
でもプロならば、自分がやりたいようにやって自分が満足してハイ終わり!では済まされない。
そんな高校生当時の私ですら認識していたことを、彼(ら)が知らないはずないんだろうけど…。
(あ、私はプロじゃなかったですけどね。でも高校の定期演奏会にお金払って来てくれてるお客様が1000人単位でいたんで、自ずと考えさせられましたよ…)*5


それと、ステージは一度きりのナマモノ。
一期一会。
立つ側にとっては長い公演中の「1回」かもしれないけれど。
観に来る、聴きに来るお客様にとっては、もうないかもしれない「1回」。
どちらかを優位にするなんて、おかしな話だと思わないだろうか?
(したくなる気持ちはわからなくはないけれどさ…私もそういう傾向あるし)

 

…それに正直、ついてくれてるファンはリピーターが多いだろうけれど、
友達の付き合いとか、子供(親?)の付き合いとか、たまたまチケットがあったからとかでその1回に来てくれた人達に、気持ちのこもったナマモノをお届けできてなかったら。

それってすごくすごーく、失礼に値することだよな。

確かに本番を「頑張らない」とは言ってない。
最初から「頑張る」ところを減らして、守りに入ってるだけだ。
その状態で、偶然訪れてくれたお客様を惹き込むくらいの、いつも来てくれてるお客様を唸らせるくらいのナマモノを見せ付けることができるのだろうか。

もし本当に動かないのであれば。
いっそ歌のみで観客を圧倒させるくらいのものを創って頂きたい。
多少音程がズレたっていいから、口パクじゃなくて歌ってる息遣いが感じられるようなしっかり生で歌ってるものを見たいし聞きたい。*6
特にメインで歌っているお二方なんぞは、その実力を余すところ無くむしろ客席に見せ付けるくらいの勢いでやって頂きたいくらいだ。*7
せっかくいい声(歌唱力)を持ってるのに、宝の持ち腐れにするなんてもったいない。
踊るのが負担になるなら、そこに「期待」をかけている多くの人達を別の形でも「納得」「圧倒」できるくらいのものを、私は期待する。

 

岡田君が、「蓮の花が好き」と何かに答えていたのを読んだ。
水の下がどんなにどろどろしてても、水の上にはきれいな花を咲かせるから、自分もそうでありたい、と。
ステージの世界・光の当たる世界というのは本当にその通りだと思う。
同じグループのほかのメンバーにも、是非とも各々なりに咲かせた蓮の大輪を魅せて頂きたいと思いつつ、夏を楽しみに待とうと思う。


【2002/06/05】

*1:そもそもの大前提として、私自身がずっと音楽をやっていて人前に立つ機会も多く、またこのエントリーを書いた頃は大学を出てお仕事として音楽をやっていこうとしはじめた時期でもあったので、若干血気盛んだったということをお知り置きください…。今読むとすごく偉そうだけど、敢えてそのまま載せておきます。

*2:今でこそこういうこと言うメンバーはいないけど、当時はネタとして結構定期的にこういう発言されていた印象があります。あと公演ごとのムラっ気も正直分かりやすく出てたかと…。

*3:後年、何かのタイミングでたぶんイノアラさんが「チケ代以上のものをお見せしないといけない」と発言されてて、ちょっと嬉しい気持ちと「ようやく気付いたの?」という気持ちとがないまぜに。

*4:そりゃあるだろうよ…(苦笑)。むしろそういうののギャップをずっと考えて悩んで、そこを抜けて今があるんじゃないかと思ってますよ今は。若かったなぁ私も…。

*5:キャパ1500くらいのホールを満席にする程度には地元の人気があったところにおりました。そこで更にテッペン張ってたwから余計に自負してたんだろうなぁ。

*6:基本的にナマモノはナマで勝負してほしい、というスタンスではあるんですが、歌に重きを置くかダンスに重きを置くか、によってこれは変わってくるんだろうな…ということにこの頃の私はまだ思い至っていないようです。

*7:たぶんその「メインで歌ってるお二方」が冒頭のような発言をされてたのでしょう(笑)。